「ご飯食べる?」
「ご飯食べる!」
「お外行く?」
「お外行く!」
子供と話していると、親が言った言葉をそのまま繰り返すことがあります。
こちらとしては、
「質問したのに、同じ言葉が返ってきた……」
「ちゃんと意味を分かっているのかな?」
「何でも真似するけど大丈夫?」
と、不思議に思うこともありますよね。
特に、子供が親の言葉を一語一句そのまま繰り返すと、「これってオウム返しなのかな?」と気になる方もいるでしょう。
でも、子供が親の言葉をそのまま真似することには、さまざまな理由があります。
言葉を覚える途中だから真似していることもあれば、会話の練習として繰り返していることもあります。
また、「ママと同じことを言いたい」という気持ちから真似していることもあります。
この記事では、子供が親の言葉をそのまま繰り返す理由と、そんなときに親はどう接すればいいのかを紹介します。
結論:親の言葉を真似するのは、言葉を覚える過程の一つです
まず結論です。
子供が親の言葉をそのまま真似するのは、言葉を覚えたり、使い方を練習したりしている途中だからということがあります。
子供は、大人のように言葉を一つひとつ教科書で覚えるわけではありません。
普段の生活の中で、
「ママがこう言った」
「パパはこういうときにこの言葉を使っている」
という経験を積み重ねながら、少しずつ言葉の使い方を身につけていきます。
そのため、
聞いた言葉をそのまま真似することも、言葉を学ぶための大切な経験の一つです。
子供が親の言葉をそのまま真似する7つの理由
1.言葉を覚えている途中だから
子供にとって、言葉は最初から自由自在に使えるものではありません。
まずは、
「聞く」
↓
「覚える」
↓
「真似する」
↓
「使ってみる」
という経験を重ねながら、少しずつ自分の言葉になっていきます。
例えば親が、
「おいしいね」
と言ったら、
「おいしいね」
と真似する。
これは、親の言葉を覚えて使ってみているのかもしれません。
大人からすると「そのまま言っただけ」に見えても、子供にとっては言葉を練習している途中なのです。
2.親の話し方が好きだから
子供は、親の言葉だけではなく、声のトーンや言い方もよく真似します。
「おいしいね~」
「ほんとだね~」
といった言い回しまで、そのまま再現することがあります。
これは、単純に親の話し方をよく聞いているからかもしれません。
好きな人の話し方を真似したくなるのは、子供に限ったことではありません。
子供にとって親は身近な存在なので、
「ママみたいに言ってみたい」
「パパと同じように話したい」
という気持ちがあるのかもしれません。
3.会話の仕方を練習している
会話には、
「質問する」
「答える」
「相手の話を聞く」
「自分の気持ちを伝える」
など、さまざまなルールがあります。
子供は、こうした会話の仕方を実際のやり取りから学んでいきます。
例えば、
親「今日は公園行く?」
子供「今日は公園行く?」
という場合。
まだ質問に対する答え方が十分に身についていないのかもしれません。
質問された言葉をそのまま返すことで、会話そのものを練習していることがあります。
4.意味を確認している
親の言葉をそのまま繰り返すことが、確認の意味を持つ場合もあります。
親が、
「今日はおばあちゃんが来るよ」
と言う。
子供が、
「おばあちゃんが来る?」
と繰り返す。
これは単純な真似ではなく、
「おばあちゃんが来るんだね?」
と確認しているのかもしれません。
語尾を変えたり、質問の形にしたりしながら、言葉の意味を確かめていることもあります。
5.聞いた言葉を自分でも言ってみたい
新しく覚えた言葉は、使ってみたくなるものです。
例えば、
「びっくりしたね」
という言葉を親から聞いた子供が、
「びっくりしたね!」
と何度も言う。
まだその言葉を完全に理解していなくても、響きが気に入っているのかもしれません。
これは、新しい言葉を自分のものにしていく過程とも考えられます。
6.親とのやり取りが楽しい
言葉を真似すると、親が反応してくれます。
子供「おいしいね!」
親「おいしいね!」
子供「おいしいね!」
親「本当だね!」
このやり取りが楽しくて、何度も繰り返すことがあります。
この場合、子供が楽しんでいるのは言葉だけではありません。
親と一緒に言葉をやり取りすることそのものを楽しんでいるのでしょう。
7.言葉だけでなく「行動」も真似したい
子供は親の言葉だけでなく、行動もよく観察しています。
親が、
「いただきます」
と言いながら手を合わせる。
すると子供も同じようにする。
親が、
「いってきます」
と言う。
すると子供も真似する。
こうした模倣は、日常生活の中でさまざまな形で見られます。
子供にとって「真似すること」は、周囲の人からいろいろなことを学ぶ方法の一つなのです。
「オウム返し」は全部同じではありません
親の言葉をそのまま繰り返すと、
「これってオウム返し?」
と思うことがあります。
一般的に、相手の言葉をそのまま繰り返すことは「反響言語(エコラリア)」などと呼ばれることがあります。
ただし、言葉をそのまま繰り返すという一つの行動だけで、子供の発達について判断することはできません。
幼い子供が言葉を覚えている途中で、聞いた言葉をそのまま使うことはあります。
また、質問に答える代わりに質問を繰り返すことがあっても、それだけで何か問題があると決めつける必要はありません。
大切なのは、年齢やその子の普段のコミュニケーションなども含めて見ることです。
質問したのに、質問をそのまま返されたら?
例えば、
親「りんご食べる?」
子供「りんご食べる?」
というケースです。
親としては、
「食べるの?食べないの?」
と困ってしまいますよね。
そんなときは、質問を少し具体的にしてみるのも方法です。
「りんご食べる?食べたい?」
「食べたいなら『うん』って言ってね」
など、答え方を分かりやすくしてみます。
あるいは、
「食べる?それともいらない?」
と選択肢を出す方法もあります。
子供が言葉を覚えている途中なら、答え方を実際に見せてあげることも役立ちます。
親の言葉を真似したら、無理に止めなくてもいい
子供が、
「おいしいね!」
と真似したら、
「おいしいね!」
と返す。
「眠いね」
と言ったら、
「眠いね。今日はいっぱい遊んだもんね」
と返す。
このように、子供の言葉を受け止めて少しだけ言葉を足してあげるのもいいでしょう。
例えば、
子供「ワンワン!」
親「ワンワンいるね。大きいワンワンだね」
という感じです。
子供が言った言葉を否定するのではなく、少しだけ言葉を広げて返すことで、自然な会話につなげられます。
「違うよ」とすぐに訂正しなくても大丈夫
子供が言葉を間違えたり、親の言葉をそのまま使ったりすると、
「違うよ」
「そうじゃないよ」
と直したくなることがあります。
もちろん、必要な場面では正しい言葉を教えてあげて構いません。
ただ、毎回細かく訂正する必要はありません。
例えば子供が、
「ママ、ジュース飲む?」
と言ったとき、
「ママはジュースを飲むの?って言うんだよ」
と毎回直すより、
「うん、ママもジュース飲もうかな」
と自然に返すほうが会話を楽しめることもあります。
子供の言葉を「そのまま返す」のもおすすめ
子供が親の言葉を真似したときは、こちらも同じように返してみる方法があります。
子供「お外行く?」
親「お外行くよ」
子供「お外行くよ」
親「うん、お外行こうね」
こうすると、自然な会話の流れを経験できます。
「質問されたら答える」
「相手の言葉を聞く」
「自分の気持ちを伝える」
というやり取りを、実際の会話の中で学んでいけます。
絵本や歌の言葉を真似するのも同じ
親の言葉だけでなく、絵本や歌のフレーズをそのまま繰り返すこともあります。
例えば、
絵本のセリフを覚えて言う。
歌の歌詞をそのまま歌う。
テレビなどで聞いた言葉を使う。
これも、子供が聞いた言葉を覚えて、自分で使っている姿の一つです。
以前の記事で紹介したように、絵本のセリフを繰り返すこともあります。
「聞く→覚える→真似する→自分で使ってみる」
という経験を繰り返しながら、少しずつ言葉の使い方を身につけていきます。
真似ばかりしているように見えても、少しずつ変化します
最初は親の言葉をそのまま繰り返していた子供も、少しずつ自分なりに言葉を変えるようになることがあります。
親「お外行く?」
子供「お外行く?」
↓
親「公園行く?」
子供「公園行きたい!」
というように、最初は真似だった言葉が、少しずつ自分の意思を表す言葉に変わっていくことがあります。
そのため、
「また真似してる」
とだけ見るのではなく、
「前より自分の言葉が増えてきたかな?」
と長い目で見てあげるのもいいでしょう。
同じ言葉を何度も繰り返すときは?
子供が覚えた言葉を何度も繰り返すこともあります。
これは、
- 言葉の響きが気に入っている
- 新しく覚えた言葉を使いたい
- 親の反応が嬉しい
- 言葉の使い方を練習している
- その言葉に興味がある
などの理由が考えられます。
大人からすると「またその言葉?」と思っても、子供にとってはまだ新鮮なのかもしれません。
「ちゃんと自分の言葉で話して」と焦らなくても大丈夫
親の言葉を真似していると、
「自分で答えてほしい」
と思うこともあります。
でも、言葉は一気に完成するものではありません。
最初は聞いた言葉を真似する。
そのうち一部だけ変える。
さらに自分の言葉を付け足す。
そうやって少しずつ、自分で言葉を組み立てるようになっていきます。
だから、親の言葉を真似している時期には、
「今は言葉を覚えている途中なんだな」
くらいに考えて、焦りすぎないことも大切です。
こんな場合は「真似すること」だけで判断しない
親の言葉をそのまま繰り返すという一つの行動だけで、発達について何かを判断することはできません。
子供のコミュニケーションは一人ひとり違います。
気になることがある場合は、
- 普段どのくらい言葉を使っているか
- 自分から話しかけることがあるか
- 相手の言葉をどのように理解しているか
- 指差しや身振りなどをどう使っているか
- 家族や周囲の人とどのように関わっているか
など、全体の様子を見ることが大切です。
親の言葉を真似することだけを理由に、何かを決めつける必要はありません。
もし言葉やコミュニケーションについて他にも気になることが重なっている場合は、保育士さんや小児科など、身近な専門家に相談してみてもいいでしょう。
まとめ:親の言葉を真似するのは、子供なりの「言葉の練習」かもしれません
子供が親の言葉をそのまま真似する理由には、
- 言葉を覚えている途中
- 親の話し方を真似したい
- 会話の仕方を練習している
- 言葉の意味を確認している
- 新しく覚えた言葉を使ってみたい
- 親とのやり取りが楽しい
- 親の行動も含めて真似したい
など、さまざまな理由があります。
そのため、
「親の言葉をそのまま真似する=言葉を理解していない」
とは限りません。
むしろ、聞いた言葉を覚えて、真似して、使ってみるという経験を繰り返しながら、少しずつ自分の言葉を増やしている途中なのかもしれません。
子供が親の言葉を真似したら、
「同じこと言ったね」
と笑ってみたり、
「そうだね。お外行こうね」
と少し言葉を足して返したり。
そんなふうに自然な会話を続けてみるのもいいでしょう。
そして、最初は親の言葉をそのまま繰り返していた子供が、いつの間にか自分で文章を作って話し始める。
そんな変化を見るのも、子育ての面白いところです。
「真似する」は、子供にとって言葉を覚えるための大切な一歩。
そう考えると、何度も同じ言葉を返してくる姿も、少し違って見えてくるかもしれません。
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