「さっき答えたばかりなのに、また同じことを聞いてくる……」
「何回説明しても、また『なんで?』って聞いてくる」
子供と一緒に過ごしていると、こんな経験はありませんか?
例えば、
「これ何?」
「りんごだよ」
「これ何?」
「りんごだよ」
「これ何?」
……。
「さっき答えたよ!」
と思わず言いたくなることもありますよね。
また、
「今日は保育園?」
「うん、そうだよ」
「今日は保育園?」
「だから、保育園だよ」
と、同じ質問を何度も繰り返すこともあります。
親としては、
「ちゃんと聞いてるのかな?」
「答えを忘れちゃったの?」
「わざと何度も聞いているの?」
と不思議に思うかもしれません。
でも、子供が同じ質問を何度もするのには、それなりの理由があります。
単純に答えを知らないからとは限りません。
この記事では、子供が同じ質問を繰り返す理由と、親はどのように対応すればいいのかを紹介します。
結論:同じ質問を繰り返すのは「答え」以外の理由もあります
まず結論です。
子供が同じ質問を何度もするからといって、
「さっきの答えを理解していない」
とは限りません。
例えば、
- 本当に知りたい
- 答えを確認したい
- 会話を続けたい
- 親に構ってほしい
- 質問すること自体が楽しい
- 言葉の使い方を練習している
- これから起きることを確認して安心したい
- 自分が知っていることを確かめたい
など、さまざまな理由が考えられます。
つまり、
質問の形をしていても、本当に知りたいことが「答え」だけとは限らない
のです。
子供が同じ質問を何度もする8つの理由
1.本当に知りたいから
まずは単純に、まだ答えが分かっていない場合です。
一度答えても、その答えを十分に理解できていなかったり、覚えていなかったりすることがあります。
大人なら一度聞けば分かることでも、子供にとっては初めて知ること。
例えば、
「なんで雨が降るの?」
と聞いて、
「雲から水が落ちてくるんだよ」
と答えても、
「じゃあ、なんで雲から水が落ちるの?」
と続く。
これは「同じ質問」というより、知りたいことが次々に出てきているのかもしれません。
2.答えを確認している
子供は、分かっていることをあえて聞くことがあります。
例えば、
「今日はパパお休み?」
「そうだよ」
「今日パパお休み?」
「うん、お休みだよ」
この場合、本当に答えを知らないわけではないかもしれません。
「やっぱりパパは今日いるんだ」
と確認している可能性があります。
子供にとっては、
「知っていることを確認する」
ことも大切なのです。
3.会話そのものが楽しい
質問に答えてもらうと、親との会話が続きます。
子供が、
「これ何?」
と聞く。
親が答える。
子供がまた質問する。
親が答える。
このやり取りそのものが楽しいのかもしれません。
特に、親が笑ってくれたり、丁寧に答えてくれたりすると、
「もっと話したい!」
という気持ちになることがあります。
この場合、子供が求めているのは正確な答えだけではなく、親とのコミュニケーションなのかもしれません。
4.質問すること自体が楽しい
子供にとって「質問」は、ちょっとした遊びになることもあります。
「これは何?」
「○○だよ」
「これは?」
「△△だよ」
というやり取りが面白い。
特に新しく覚えた言葉を使いたくて、同じ質問を何度もすることがあります。
大人でも、新しい言葉を覚えたときに使ってみたくなることがありますよね。
子供ならなおさらです。
5.言葉の使い方を練習している
子供は日常生活の中で、少しずつ言葉を覚えていきます。
質問の仕方。
答え方。
会話の順番。
相手の反応。
こうしたことを、実際のやり取りを通して学んでいきます。
そのため、同じ質問を繰り返すことが、会話の練習になっている場合もあります。
「これは何?」
という質問を覚えたら、いろいろな場面で使ってみたくなる。
それは言葉を使う経験の一つです。
6.これから起こることを確認して安心したい
子供が同じ質問を何度もするときは、先の予定を確認していることもあります。
例えば、
「今日は公園行く?」
「行くよ」
少し時間が経って、
「今日、公園行く?」
「うん、行くよ」
さらに、
「公園行く?」
と聞いてくる。
これは、公園に行くかどうかを忘れたというより、
「本当に行くんだよね?」
と確認しているのかもしれません。
子供にとって、これから何が起こるのか分かっていることは安心につながります。
7.親の反応を楽しんでいる
子供は親の反応をよく見ています。
同じ質問をすると、
「もう、さっき答えたでしょ!」
と親が笑ったり、困った顔をしたりする。
すると、
「もう一回やってみよう」
となることがあります。
ちょっとしたいたずらのような感覚です。
もちろん毎回そうとは限りませんが、質問そのものより親とのやり取りを楽しんでいることもあります。
8.自分の知識を確かめたい
子供が、
「これは犬?」
「そうだよ」
「犬だよね?」
「うん、犬だね」
と確認することがあります。
この場合、
「犬という答えを知らない」
というより、
「自分の考えが合っているか確認している」
のかもしれません。
「合ってた!」
という経験が、また次の質問につながります。
「さっき答えたでしょ!」と言いたくなったら
正直なところ、同じ質問を何度もされると疲れます。
何回も、
「どうして?」
「なんで?」
「本当に?」
と聞かれると、
「だから、さっき言ったでしょ!」
と言いたくなるのも当然です。
親だって人間なので、毎回丁寧に答える必要はありません。
疲れているときは、
「さっき答えたけど、もう一回言うね」
くらいでも十分です。
大切なのは、親が無理をしすぎないことです。
余裕があるときは「どう思う?」と返してみる
何度も同じ質問をしてくるとき、少し会話を広げてみるのもおすすめです。
子供:「なんで雨降るの?」
親:「なんでだと思う?」
子供:「お空が泣いてる?」
親:「そうかもしれないね。じゃあ雲はどうしてできるのかな?」
このようにすると、単純な「質問→回答」から、子供自身が考える会話に変わります。
ただし、毎回やる必要はありません。
子供が単純に答えを聞きたいだけなら、
「雨が降るからだよ」
と普通に答えるだけでも十分です。
同じ質問に毎回違う答えをしなくてもいい
子供が同じことを聞いてきたら、
「さっきと同じ答えだよ」
と伝えるのも一つの方法です。
例えば、
「明日は保育園?」
「うん、保育園だよ」
「明日、保育園?」
「そうだよ。さっきと同じだね」
といった感じです。
子供に「同じ質問をしてはいけない」と教える必要はありません。
むしろ、
「何度聞いても大丈夫」
という安心感を持てることも大切です。
「なんで?」が止まらないときはどうする?
子供の「なんで?」が続く時期があります。
例えば、
「なんで雨?」
「雲があるからだよ」
「なんで雲?」
「水蒸気が集まって……」
「なんで水蒸気?」
「……」
となることもあります。
親としては、どこまで答えればいいのか分からなくなりますよね。
そんなときは、全部を完璧に説明しなくても大丈夫です。
子供の年齢に合わせて、
「空に水が集まって雲になるんだよ」
くらいの簡単な説明でも構いません。
さらに聞かれたら、そのときに少しずつ説明すればいいのです。
「分からない」と答えてもいい
親だからといって、すべての質問に答えられるわけではありません。
「なんで月はついてくるの?」
「なんで魚は水の中で息できるの?」
「なんで犬はワンワンなの?」
など、子供の質問は突然やってきます。
分からないときは、
「それ、パパも分からないな」
「一緒に調べてみようか」
で大丈夫です。
「分からない」という答えから、
「じゃあ調べてみよう」
という新しい経験につながることもあります。
同じ質問を何度もする子には、先回りして伝えるのも効果的
同じ予定について何度も聞く場合は、先に流れを伝えておく方法もあります。
例えば、
「今日はご飯を食べたらお風呂。そのあと絵本を読んで寝ようね」
と伝えておく。
予定が変わる場合も、
「今日はいつもと違って、先にお風呂に入るよ」
と伝える。
子供にとって先の見通しが持ちやすくなると、確認の質問が少なくなることもあります。
同じ質問をする子供には「うるさい」と言わないほうがいい?
もちろん、親が疲れているときにイライラしてしまうことはあります。
だからといって、自分を責める必要もありません。
ただ、
「何回同じこと聞くの!」
「さっき言ったでしょ!」
と繰り返し否定されると、子供が質問することをためらってしまう可能性があります。
余裕があるときは、
「何度も確認したくなるんだね」
「それが気になるんだね」
と受け止めてあげるのもいいでしょう。
そして親が疲れているときは、
「今ちょっと疲れているから、あとで話そうね」
と伝える。
子供の質問を大切にしながら、親自身の負担も減らす。
そのバランスが大切です。
同じ質問を繰り返すのはいつまで?
これは子供によってかなり違います。
言葉を覚え始めた時期には、覚えた質問を繰り返すことがあります。
その後、語彙が増えてくると、
「どうして?」
「なんで?」
「どういうこと?」
など、質問の種類も少しずつ増えていきます。
そのため、
「何歳になったら終わる」
と決められるものではありません。
成長するにつれて、質問の内容や会話の仕方が変わっていくと考えたほうがいいでしょう。
こんな場合は「同じ質問」だけで判断しない
同じ質問を繰り返すことだけで、子供の発達について何かを判断する必要はありません。
子供の言葉やコミュニケーションは一人ひとり違います。
もし発達について気になることがある場合には、
- 質問以外ではどのように会話しているか
- 相手の話をどのように聞いているか
- 普段どのように遊んでいるか
- 家族や周囲の人とどのように関わっているか
- 言葉をどのように使っているか
など、普段の様子全体を見ることが大切です。
同じ質問をするという一つの行動だけで、何かを決めつける必要はありません。
他にも気になることが重なっている場合は、保育士さんや小児科など、身近な専門家に相談してみてもいいでしょう。
まとめ:同じ質問を何度もするのには、子供なりの理由があります
子供が同じ質問を何度もする理由には、
- 本当に知りたい
- 答えを確認したい
- 会話を続けたい
- 質問すること自体が楽しい
- 言葉の使い方を練習している
- これから起きることを確認して安心したい
- 親の反応を楽しんでいる
- 自分の知識が合っているか確かめたい
など、さまざまなものがあります。
だから、
「さっき答えたのに、また聞いてくる」=覚えていない
とは限りません。
もしかすると、
「もう一度確認したい」
「パパやママと話したい」
「この質問をするのが楽しい」
という気持ちなのかもしれません。
もちろん、何度も同じ質問をされれば、親が疲れてしまうこともあります。
そんなときは無理をせず、
「さっき答えたけど、もう一回ね」
「今はちょっと疲れているから、あとで話そうね」
と伝えても大丈夫です。
子供の「なんで?」に全部完璧に答える必要もありません。
分からないときは、
「分からないね。一緒に調べてみようか」
でも十分です。
何度も繰り返される子供の質問。
大人からすると「またか……」と思ってしまうこともありますが、そこには、
「もっと知りたい」
「もっと話したい」
「もう一度確かめたい」
という子供なりの気持ちが隠れているのかもしれません。
今日も同じ質問が始まったら、余裕のあるときだけでも、
「そんなに気になるんだね」
と少しだけ視点を変えてみる。
それだけで、いつもの「なんで?」攻撃が、少し違って見えてくるかもしれません。
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