「自分で!」
「ママやらないで!」
「僕がやる!」
子供が突然、何でも自分でやりたがるようになることがあります。
靴を履くのも自分。
服を着るのも自分。
スプーンを持つのも自分。
親が手伝おうとすると、
「自分で!」
と怒る。
急いでいる朝などは、
「もう、ママがやるから!」
と言いたくなってしまうこともありますよね。
でも、子供が「自分で!」と言いたがるのには、ちゃんと理由があります。
単なるわがままではなく、「自分でやってみたい」「自分でできるようになりたい」という気持ちが育っているサインなのかもしれません。
この記事では、子供が「自分で!」と言いたがる理由と、親はどのように接すればいいのかを紹介します。
結論:「自分で!」は自立したい気持ちの表れ
まず結論です。
子供が「自分で!」と言うのは、
「自分のことは自分でやってみたい」
という気持ちが強くなっているからです。
これまで親にやってもらっていたことでも、
「自分でできるかもしれない」
と思うようになる。
そして実際にやってみる。
うまくいけば、
「できた!」
という嬉しさを感じる。
うまくいかなければ、
「もう一回!」
と挑戦する。
こうした経験を繰り返しながら、少しずつ自立していきます。
そのため、「自分で!」は親を困らせるための言葉というより、成長の中で自然に出てくる気持ちの一つと考えることができます。
子供が「自分で!」と言う7つの理由
1.自分でできることが増えてきたから
子供は成長するにつれて、できることが少しずつ増えていきます。
スプーンを持てる。
靴を履ける。
ボタンを触れる。
服を脱げる。
おもちゃを片付けられる。
今まで親にやってもらっていたことが、自分でもできるようになってきます。
すると、
「これ、自分でできる!」
という感覚が生まれます。
その結果、
「自分で!」
と言う機会が増えていきます。
親からすると「まだ難しいんじゃない?」と思うことでも、子供は「やってみたい」と思っているのです。
2.「できた!」という達成感を味わいたいから
自分でやって、成功したときの嬉しさは特別です。
親に靴を履かせてもらう。
↓
自分で靴を履いてみる。
↓
時間はかかったけれど履けた。
このとき子供は、
「自分でできた!」
という達成感を味わいます。
この経験があると、
「次も自分でやりたい」
と思うようになります。
大人からすれば数分で終わることでも、子供にとっては大切な挑戦なのです。
3.自分で選びたいから
「自分で!」には、単に作業を自分でしたいという意味だけではありません。
「自分で決めたい」
という気持ちが含まれていることもあります。
例えば、
「赤い服を着よう」
と親が選んだら、
「自分で!」
と言う。
これは、
「自分で服を選びたい」
という意味かもしれません。
子供は少しずつ、
「これは自分が決める」
という感覚を持つようになります。
自分の意思を表現できるようになってきた証拠でもあります。
4.親にやってもらうより、自分でやるほうが面白いから
子供は「やってもらう」より「やってみる」ことを楽しむことがあります。
親が靴を履かせれば10秒で終わる。
でも自分でやると3分かかる。
それでも、
「自分でやる!」
と言う。
大人には効率が悪く見えますが、子供にとっては、
「やってみること」
そのものが遊びや学びになっています。
ボタンを触ってみる。
靴を反対に履いてみる。
スプーンを使ってみる。
そうした試行錯誤も、子供にとっては貴重な経験です。
5.親と同じことをしたいから
子供は親の行動をよく見ています。
親が服を着る。
親が靴を履く。
親が料理をする。
親が掃除をする。
すると、
「自分もやってみたい!」
と思うことがあります。
「自分で!」という言葉の裏に、
「ママやパパみたいにやってみたい」
という気持ちがあることもあります。
だからこそ、少し難しいことでも挑戦したがるのです。
6.自分の意思を伝えられるようになったから
小さな子供にとって、
「自分で!」
は、とても分かりやすい意思表示です。
「手伝わないで」
「自分がやる」
「自分で決めたい」
という気持ちを、短い言葉で伝えています。
以前なら泣くだけだったことを、
「自分で!」
と言葉で伝えられるようになった。
そう考えると、これも大きな変化です。
7.親から少し離れて自分でやってみたいから
子供は、親に甘えるだけではなく、少しずつ自分で行動するようになります。
「ママと一緒じゃないとできない」
から、
「自分でやってみる」
へ。
そして、
「自分でできた!」
という経験が積み重なっていきます。
「自分で!」という言葉には、親から離れて何かをするための小さな一歩が含まれていることもあります。
「自分で!」はイヤイヤ期と同じ?
「何でも自分でやりたがる」
「手伝おうとすると怒る」
という姿を見ると、
「これがイヤイヤ期なのかな?」
と思うこともありますよね。
実際、「自分で!」という主張とイヤイヤ期が重なることはあります。
ただし、
「自分でやりたい」という気持ちと、「何でもイヤ」という気持ちは同じではありません。
例えば、
「自分で靴を履きたい」
というのは、自分でやりたいという意思です。
一方、
「靴を履こう」
「イヤ!」
というのは、やりたくないという意思です。
どちらも子供の自己主張ですが、意味は少し違います。
「自分で!」と言われたら、全部任せるべき?
そうとは限りません。
子供が「自分で!」と言っても、まだ一人では難しいことがあります。
例えば、
- 危険なこと
- 時間がかかりすぎること
- 年齢的に難しいこと
- 親の手助けが必要なこと
などです。
そんなときは、
「全部やってあげる」か「全部一人でやらせる」かの二択にしなくても大丈夫です。
「最初は自分でやってみようか」
「難しいところだけママが手伝うね」
という方法もあります。
「自分で!」には「見守る」ことも大切
子供が自分でやっていると、
「違うよ」
「そうじゃないよ」
「こうしたほうが早いよ」
と、つい口を出したくなります。
でも、安全に問題がなく、時間にも余裕があるなら、少し見守ってみるのもいいでしょう。
靴を反対に履いている。
ボタンがずれている。
服が少し裏返し。
そんなときも、本人が試行錯誤しているなら、すぐに直さなくてもいい場合があります。
「自分でできた!」
という経験は、完成した結果だけではなく、自分で考えてやってみた過程からも生まれます。
「手伝おうか?」ではなく「手伝ってほしい?」
子供が「自分で!」と言ったときは、
「手伝おうか?」
と聞くより、
「手伝ってほしくなったら言ってね」
と伝える方法もあります。
そうすると、
「今は自分でやりたい」
という気持ちを尊重できます。
そして困ったときには、
「ママ、手伝って」
と言えるようになります。
できたら大げさに褒めなくてもいい
子供が自分でできたとき、
「すごい!天才!」
と毎回大げさに褒める必要はありません。
「自分でできたね」
「最後までやったね」
「頑張ってたね」
と、できたことや過程をそのまま言葉にしてあげるだけでも十分です。
特に、
「自分でやろうとしていたね」
という声かけは、結果だけではなく挑戦したことにも目を向けられます。
失敗して怒ったらどうする?
「自分で!」と言ったものの、うまくできなくて怒ることもあります。
例えば、
「自分で靴を履く!」
↓
うまく履けない。
↓
「できない!」
↓
泣く。
こういうこともあります。
そんなときは、
「自分でやりたかったんだね」
「うまくいかなくて悔しいね」
と気持ちを受け止めてあげてもいいでしょう。
そして、
「ここだけママが手伝おうか?」
と提案する。
すぐに手を出すより、「やりたい」という気持ちを一度受け止めることがポイントです。
忙しいときは、親がやっても大丈夫
「自分で!」を尊重したいと思っていても、毎回待っていられないことがあります。
特に朝の忙しい時間。
「あと5分で出ないといけない!」
というときに、
「自分で靴を履く!」
と言われたら大変ですよね。
そんなときは、
「今日は時間がないから、ママが手伝うね」
と伝えても大丈夫です。
子供の自立を応援することと、毎回すべて自分でやらせることは違います。
時間に余裕があるときは任せる。
急いでいるときは手伝う。
そのくらい柔軟でも問題ありません。
「自分で!」が増えたら、できる環境を作る
子供が自分でやりたがるようになったら、環境を少し変えてみるのもおすすめです。
例えば、
- 子供が自分で取れる場所に服を置く
- 靴を自分で履きやすい場所に置く
- 手が届く高さにタオルを置く
- 子供用の食器を用意する
- おもちゃを自分で片付けやすくする
など。
大人が毎回手伝わなくても済む環境を作ると、子供が「自分で!」を実現しやすくなります。
「自分で!」と言えることも成長
親としては、
「また時間がかかる……」
「お願いだから早くして……」
と思うこともあります。
でも、少し前までは全部親にやってもらっていたことを、
「自分でやりたい」
と言えるようになった。
これは大きな変化です。
もちろん、まだ一人ではできないこともたくさんあります。
それでも、
「やってみたい」と思えること自体が、成長の一つなのかもしれません。
何でも「自分で!」と言う時期がずっと続くわけではない
今は、
「自分で!」
「自分で!」
と何でも自分でやりたがっていても、成長するにつれて少しずつ変わっていきます。
自分でできることが増える。
助けを求められるようになる。
人と協力することを覚える。
「ここは自分で、ここは手伝って」と使い分けられるようになる。
そんなふうに、少しずつ変化していきます。
だから、今の「自分で!」を、子供の成長過程の一つとして見守っていくのもいいでしょう。
「自分で!」という行動だけで何かを判断しなくて大丈夫
子供が何でも「自分で!」と言うことは、それだけで問題があるということではありません。
自己主張の強さや、何を自分でやりたがるかは、子供によって違います。
もし子供の発達について気になることがある場合は、
- 普段どのように人と関わっているか
- 言葉をどのように使っているか
- 遊び方はどうか
- 身の回りのことをどの程度できるか
- 家庭や園でどのように過ごしているか
など、普段の様子全体を見ることが大切です。
「自分で!」という一つの行動だけで、何かを決めつける必要はありません。
他にも気になることが重なっている場合は、保育士さんや小児科など、身近な専門家に相談してみてもいいでしょう。
まとめ:「自分で!」は、子供が自立に向かっているサインかもしれません
子供が「自分で!」と言いたがる理由には、
- 自分でできることが増えてきた
- 「できた!」という達成感を味わいたい
- 自分で選びたい
- 自分でやることが楽しい
- 親と同じことをしたい
- 自分の意思を言葉で伝えたい
- 少しずつ自分で行動したい
などがあります。
そのため、
「自分で!」=わがまま
と考える必要はありません。
むしろ、
「自分でやってみたい」
「自分で決めたい」
という気持ちが育っているのかもしれません。
もちろん、毎回すべてを子供に任せる必要はありません。
時間があるときは見守る。
難しいところだけ手伝う。
急いでいるときは親がやる。
そんなふうに、その日の状況に合わせて対応して大丈夫です。
子供が「自分で!」と言ったら、
「やってみたいんだね」
とまず気持ちを受け止めてみる。
そして、できる範囲で任せてみる。
失敗したら、
「自分でやろうとしたね」
と声をかける。
そうした小さな経験の積み重ねが、子供の「自分でやってみよう」という気持ちにつながっていくのかもしれません。
今は何をするにも「自分で!」。
親としては大変な時期ですが、振り返ってみると、
「自分で!」と言っていた時期も、子供が大きく成長していた大切な時間だった
と思える日が来るのかもしれません。
コメント