まず結論:金星では「1日」が「1年」より長い!
金星の自転と公転にかかる時間を比べると、驚きの事実がわかります。
金星の自転周期
約243日
地球の日数で計算
金星の公転周期(1年)
約225日
太陽の周りを1周する時間
出典:NASAの金星データ。

つまり、金星が自分自身を1回転させるよりも先に、太陽の周りを1周してしまうのです。
ただし、ここでいう「1日」は自転1回分のこと。日の出から次の日の出までの時間は約117地球日で、こちらは自転周期とは異なります。

■ 雑学1:金星では太陽が西から昇る!
地球では、太陽は東から昇って西に沈みます。
ところが、金星では逆です。
金星は、地球や多くの惑星とは反対向きに自転しているため、地表から見ると太陽は西から昇り、東に沈むように見えます。
これを「逆行自転」と呼びます。
もし金星に立って空を眺めることができたら、太陽がいつもとは逆方向から現れるという、不思議な光景を目にすることになるのです。
ただし、金星の表面は非常に高温で、大気圧も極めて高いため、人間がそのまま地表で生活することはできません。
地球に近い大きさの惑星なのに、環境も空の動きも大きく違うのですね。
■ 雑学2:金星は水星よりも暑い!
太陽に最も近い惑星は水星です。
それなら、太陽系で最も暑い惑星も水星だと思いませんか?
実は、最も高温になる惑星は金星です。
金星の表面温度は約465℃にも達します。
その理由は、金星の大気にあります。
金星の大気は二酸化炭素を主成分とし、非常に濃い大気が熱を閉じ込める強い温室効果を生み出しています。
そのため、太陽により近い水星よりも、金星のほうが表面温度は高くなるのです。
ちなみに、金星の表面では鉛が溶けるほどの高温になります。
「太陽に近いほど暑い」という単純なイメージだけでは、惑星の気温を説明できないのですね。
■ 雑学3:金星の空には硫酸の雲が広がっている!
地球の雲は、水滴や氷の粒からできています。
一方、金星の雲は主に硫酸の液滴でできています。
しかも、金星の大気は非常に濃く、地表の気圧は地球の海面付近の約90倍にもなります。
地球と似た大きさを持ちながら、空の成分も気圧もまったく違うのです。
金星は厚い雲に覆われているため、通常の可視光では地表を直接見ることが困難です。探査機はレーダーなどを利用して、雲の下にある地形を調べてきました。
地球から見ると明るく輝く金星ですが、その雲の下には想像以上に過酷な世界が広がっています。
■ 雑学4:金星は地球と大きさがよく似ている!
ここまで読むと、金星は地球とまったく違う惑星に思えるかもしれません。
しかし、金星と地球は大きさや質量が比較的よく似ています。
そのため、金星は地球の「姉妹惑星」と呼ばれることもあります。
ところが、現在の環境には大きな違いがあります。
地球には液体の水が豊富に存在し、人間が暮らせる環境があります。一方、金星の表面は極端な高温と高圧にさらされています。
似たような大きさの岩石惑星でも、環境は大きく異なるのです。
金星が現在のような環境になった理由や、その気候がどのように形成されたのかは、惑星科学の重要な研究テーマです。
■ 雑学5:宇宙には昼と夜がほとんど変わらない惑星もある!
金星以外にも、地球とは大きく異なる昼と夜を持つ惑星が考えられています。
例えば、恒星のすぐ近くを公転する惑星の中には、「潮汐固定」と呼ばれる状態になっているものがあります。
潮汐固定とは、惑星が恒星の周りを1周する時間と、自転する時間が一致し、恒星に対して常に同じ面を向ける状態です。
この状態になると、恒星を向いている側には昼が続き、反対側には夜が続くことになります。
太陽系の外にある惑星では、こうした環境を持つ天体が研究されています。
ただし、実際の気温や気候は大気や海洋などの条件によって変わります。昼側が必ず灼熱で、夜側が必ず極寒になるとは限りません。
宇宙には、地球のように朝が来て夜が来るとは限らない世界もあるのです。
■ まとめ:宇宙では地球の常識が通用しない!
今回の雑学を振り返ってみましょう。
- 金星では、自転1回分の時間が公転1周分の時間より長い。
- 金星では太陽が西から昇り、東に沈むように見える。
- 太陽に最も近い水星ではなく、金星が太陽系で最も高温の惑星。
- 金星の雲には硫酸の液滴が含まれている。
- 金星は地球と大きさが似ているが、表面環境は大きく異なる。
- 宇宙には、恒星に対して同じ面を向け続ける惑星もある。
私たちは、1日は24時間で、太陽は東から昇るのが当たり前だと思っています。
しかし、それは地球で暮らしているからこその常識なのかもしれません。
宇宙には、1年より長い自転周期を持つ惑星もあれば、昼と夜のあり方そのものが地球とは異なる惑星もあります。
そう考えると、地球という環境がいかに特徴的なものなのか、改めて実感できますね。
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